田辺寄席では、参加者に「田辺寄席ニュース『寄合酒』ー当日版」 をお配りしています。
  06年4月までは、桂文太師匠が出題する「寄合酒クイズ」と中川 桂氏(芸能史研究者・大阪大学非常勤講師)の演題の紹介が掲載されて いました。06年5月からは月3回公演に伴い紙面も変更され、三公演 の演題紹介と「楽語写」が掲載されています。このページには演題紹介を収録しました。
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田辺寄席 水無月席
第390回06年6月17日(土)〜昼席〜午後1時10分開演


一、千早ふる    笑福亭 喬若(三喬門下)
 平安時代の歌人・在原業平の和歌の解釈に、どう考えても江戸時代以降の遊郭の話題や、相撲の制度が出てくるおかしみ。


二、片棒      桂 わかば(ざこば門下)
 政府が景気回復と言っていても、一向にそんな気配は感じられず、日々の買い物でも節約を心がけている人は多いはず。たが、一生に一度というような冠婚葬祭の費用は、普通の人にはなかなか節約できないものだ。


三、悋気の独楽 桂 枝女太(五代目文枝門下)
 現代も、浮気は離婚や、時には殺害事件に至る重大問題。この落語では旦那が妾を囲っていると知った御寮人さんが「ご自身はそんな贅沢なことを…」という理由でそれを咎めているが、ここらに時代による倫理観の違いを感じる。

中入り

四、ズバリ当てま賞〜「ひ」の四十四番
         桂 文太(五代目文枝門下)
A、『七段目』丁稚の定吉、芝居好きの若旦那を止めに行ったはずが。/B、『百人坊主』町内の旅行を円滑に済ませるための取り決めとは。/C、『一人酒盛』本当に一人で呑んでいるのではなく、目の前に友人が。/D、その他


五、掛け取り    桂 わかば(ざこば門下)
 旧暦では12月30日が大晦日。晦日は別に「つごもり」という呼び方もあるが、言い誤った形が定着して「つもごり」とも言った。後者は関西でよく使われ、近松の浄瑠璃にも見られる。


辺寄席水無月席
第391回 06年6月17日(土)〜夜席〜午後5時40分開演


一、その後の「大安売り」        笑福亭 風喬(松喬門下)
 おなじみの、か弱い力士が出てくる古典落語の続編という設定。力士のダイエットとは。


二、馬の田楽    笑福亭 瓶太(鶴瓶門下)
 太古の昔から馬と人間のかかわりは深いが、古くは馬を軍事用や貴人の移動用に、乗り物として使うのが主だった。荷物の運搬をさせるようになったのは、馬との長いかかわりの中では比較的新しいそうだ。


三、桜の宮       桂 都丸(都丸一門)
 もとは別の場所にあった、「桜宮」と呼ばれる神社がこの地へ移転後、神社名にあやかって境内に桜を植えた。その後、この一帯に次々と桜が植えられ、花見の名所になったという。

中入り

四、ズバリ当てま賞〜「も」の四十五番
         桂 文太(五代目文枝門下)
A、『もう半分』「因果応報」の常道に則った不気味な一席。/B、『餅屋問答』にわか大和尚と旅の禅僧との、真剣勝負の結末は。/C、『桃太郎』おとぎ話で子供を寝かしつけようとしたが、子供のほうが利発で。/D、その他


五、首提灯     笑福亭 瓶太(鶴瓶門下)
 東京落語でも同じ題名で演じられるが、筋の運びが異なる。東京は口の利き方を知らない田舎侍への反骨心があるが、上方では新しく手に入れたものは使ってみたい、また酒に酔うと気が大きくなる、といった普遍的心理が根底に。


田辺寄席水無月席
第392回06年6月18日(日)〜昼席〜午後1時10分開演

一、軽業       林家 染太(染丸門下)
 軽業師が出番に備えて身支度を整えるところや、綱の半ばでの足の動きなど、ビジュアル面でも楽しめる一席。


二、くっしゃみ講釈 笑福亭 銀瓶(鶴瓶門下)
 「講釈場の客はみな常連や…」といったセリフも出るが、それはたいてい、出し物が毎日の続き読みだった、という事情にもよる。来月、旭堂南海さんと南湖さんが続き読みに挑むが、落語に続き、将来講釈の定席の復活なるか。


三、軒づけ       桂 米二(米二一門)
 偶然にも本日の昼席は、さながら「芸能特集」。落語を通じて見世物(軽業)、講釈、浄瑠璃、最後は歌舞伎と、縁の深い各種の芸能をいっぺんに楽しめる。その中でも、心得のある素人演者が最も多かったのが浄瑠璃の語りだった。

中入り

四、ズバリ当てま賞〜「せ」の四十六番
         桂 文太(五代目文枝門下)
A、『疝気の虫』理にかなった「科学的治療」で虫退治を試みる。/B、『善哉公社』この作品が作られた時代も今も、役所は批判の的か。/C、『千両みかん』食べ物に季節感があったころの、夏場にふさわしい噺。/D、その他


五、蔵丁稚     笑福亭 銀瓶(鶴瓶門下)
 7月の大阪松竹座は、中村鴈治郎改め坂田藤十郎丈の襲名披露興行。だが普段にもましてお値段が高く、丁稚さんがぶらりと入れるような料金ではありませんな。


紹介文執筆…中川 桂



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