田辺寄席では、参加者に「田辺寄席ニュース『寄合酒』ー当日版」 をお配りしています。
  06年4月までは、桂文太師匠が出題する「寄合酒クイズ」と中川 桂氏(芸能史研究者・大阪大学非常勤講師)の演題の紹介が掲載されて いました。06年5月からは月3回公演に伴い紙面も変更され、三公演 の演題紹介と「楽語写」が掲載されています。このページには演題紹介を収録しました。
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卯月席田辺寄席
第420回
4月21日(土)昼席 午後1時40分開演
〈いちもん会〉


一、鷺取り      桂 雀太(雀三郎門下)

 四天王寺の五重塔内部には、らせん状の階段があり、最上階まで登れるようになっている。ただ、昇り降りするとかなり疲れるので、希望される方は少しでも若いうちにどうぞ。

二、七段目    桂 よね吉(初代吉朝門下)

 六月の国立文楽劇場「文楽鑑賞教室」は学生など初心者対象の解説つき公演だが、今年は忠臣蔵の五段目・六段目が出る。この一席は歌舞伎の七段目、お軽と平右衛門の場面が題材。

三、四二〇号笑呆亭…『よもぎ餅』から
     桂 文太(五代目文枝門下)

 中国の古いことわざに「蓬頭垢面」というのがある。よもぎの葉が風になびく姿から、髪の乱れた頭が連想され、また垢のついた顔も合わさって、外見を気にかけない無頓着な様子をさす。願人坊主の西念が食べたのが「よもぎ餅」とは、その容貌に合わせていたのだろうか。

中入り

四、いらち俥   桂 紅雀(二代目枝雀門下)

「ステンショ」はその頃の停車場のことだが、関西を中心に使われていた言葉。ただし関西だけで用いられたのではなく、中にはそこから派生して「ステンショ場」(三重)や「ステン場」(群馬)と言っていた地方もあった。

五、星野屋     月亭 八天(八方門下)

 男と女の騙し合いは時代を問わないが、騙し方が一ひねり、二ひねりと。上方では『五両残し』、東京型の『星野屋』は旦那の屋号から。

卯月席田辺寄席
第421回
4月21日(土)夜席 午後6時10分開演
〈いちもん会〉


一、大安売り    桂 三四郎(三枝門下)

 外国人力士が増えた影響か、近年は昔ほど「山」や「川」のつく四股名がない。それにしても妙な四股名の付け方があったもので。

二、神様のご臨終   桂 三象(三枝門下)

 一般市民が加わる裁判員制度が、2年後にも始まる。国民から無作為に選ばれるというのだが…。この噺の主人公、選ばれたのは無作為抽出なのか、その苗字ゆえか?

三、四二一号笑呆亭…『代脈』から
        桂 文太(五代目文枝門下)

 東京の落語定席では代演の告知があまりされておらず、足を運んで初めて代演を知る、といったことも多い。その点こちらの繁昌亭は、チラシにもその日ごとの出演者が正確に書かれており、代演を確認した上で見にいけるのは便利。さて、医者の代診にまつわる一席は。

中入り

四、清水次郎長伝 清水小政少年時代
幸 いってん(幸枝若門下)

清水次郎長は幕末から明治期に実在した侠客で、多数の子分がいたのも事実だが、物語は三代目神田伯山の講談や二代目広沢虎造の浪曲で広く知れ渡ったものである。

五、宿題       桂 三歩(三枝門下)

 ゆとり教育が何かと批判される今日だが、やはり何となく、学校の学習内容は緩やかというイメージがあるのか。この一席、学校でなく塾の宿題、というところが時代を感じさせる。

卯月席田辺寄席
第422回
4月22日(日)昼席 午後1時10分開演
〈いちもん会〉


一、犬の目     桂 壱之輔(春之輔門下)

 犬の飼育頭数が、昨年の推計では千二百九万頭に達した。これは少子化の中、小・中学生の数を上回る数字である。犬は大切なパートナーだが、放し飼いはしないように。

二、代書屋      桂 春雨(春団治門下)

 東京ではカッパ(河童)の呼称が一般的だったが、大阪ではガタロ。これは「河太郎」から来た呼び名。そこから、川の浅瀬に沈む屑物を拾い集める商売にも言うようになった。

三、四二二号笑呆亭…『高倉狐』から
         桂 文太(五代目文枝門下)

 高倉稲荷は高津神社の境内にあるが、昔の高津さんにはいろいろと名物があった。二大名物は、遠眼鏡も置かれていた境内からの眺望と、茶店の湯豆腐。落語にもよく出てくる、神社そばの黒焼屋も有名だった。今後は文枝師匠の顕彰碑も、名物の一つになっていくだろうか。

中入り

四、がまの油   桂 蝶六(二代目春蝶門下)

がまの油売りは口上芸の代表格だが、決して達者な弁舌そのもので直接金を稼いでいるのではない。収入源はあくまでも売薬で、口上はそのための人集めの手段なのだ。

五、鴻池の犬/完結編 桂 春駒(春団治門下)

 江戸時代の安永年間には、サゲの原型が見られる古い噺。犬は三匹の兄弟で、うち一匹がまさに「玉の輿」というべき恵まれた境遇に至るのだが、「完結編」ではどんな工夫が。

紹介文執筆…中川 桂




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