田辺寄席では、参加者に「田辺寄席ニュース『寄合酒』ー当日版」 をお配りしています。
  06年4月までは、桂文太師匠が出題する「寄合酒クイズ」と中川 桂氏(芸能史研究者・大阪大学非常勤講師)の演題の紹介が掲載されて いました。06年5月からは月3回公演に伴い紙面も変更され、三公演 の演題紹介と「楽語写」が掲載されています。このページには演題紹介を収録しました。
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葉月席田辺寄席
第432回
8月18日(土)昼席 午後1時40分開演
〈いちもん会〉


一、寿限無   桂 壱之輔(春之輔門下)

 夏休み。子ども向けの落語会も多く、田辺でも日午前には親子寄席が。そんな子ども向け落語会にも最適な、小学生の認知度bPの噺。

二、夢八   露の 吉次(五郎兵衛門下)

 夏の寄席では怪談ばなしがつきものだが、今月は巡り合わせか、いかにも怪談、という演目はない気配。そんな中、一服の清涼剤となりそうなこの一席。「つりの番」とは果たして?

三、四三二号笑呆亭…『祝いのし』から
     桂 文太(五代目文枝門下)

 「つなぎ」は、長屋や町会などで慶事・弔事などの時に集める金銭を言うが、これは「交際をつなぐもの」の意味という。また、「おため」は物をもらった時のお返しだが、元来は祝いの品をもらった、その容器に入れて返すもので、関西以外では「お移り」と言った。

中入り

四、浮世根問   桂 一蝶(二代目春蝶門下)

「根掘り葉掘り問う」根問い物は登場人物二人の対話が基本。先月の『色事根問』に続き、今月は明日昼席の『商売根問』と合わせて二席の根問い物が出る。聞き比べも面白いだろう。

五、アーバン紙芝居 桂 小春団治(春団治門下)

 小春団治さん自身も「『いかけ屋』の現代版」と言っている通り、春団治師匠十八番のネタを現代に置き換えるべく自作された一席。子どもの家庭環境に「いま」が見事に映されている。

葉月席田辺寄席
第433回
8月18日(土)昼席 午後6時10分開演
〈いちもん会〉


一、みかん屋   桂 さん都(都丸門下)

 四月からの新生活がひと息ついて、夏休みにアルバイト・デビューする学生も多いとか。そんな人にも大いに参考となる?商売のコツを体得できる一席。

二、肝つぶし  桂 吉弥(初代吉朝門下)

 「年月揃った女の生き肝」がテーマになっているが、そのような趣向は古浄瑠璃など、古くから芸能の作品に見られるもの。現行のものでも、似た例として『摂州合邦辻』に、玉手御前の生血で俊徳丸の病気が治る設定がある。

三、四三三号笑呆亭…『野ざらし』から
       桂 文太(五代目文枝門下)

 東京の『野ざらし』は陰気な噺だったものを、初代三遊亭円遊が陽気な作品に改作したとされる。そんな一端が感じられるのが、男が水をかき回しながら鼻歌を歌う場面だが、文太師匠はこの鼻歌の節を、さらに意外な?曲に変えているのでお聞き逃しのないように。

中入り

四、親子酒     桂 宗助(米朝門下)

江戸時代、露の五郎兵衛の軽口本に原話があるが、それはサゲの部分だけ。うどん屋とのやりとりなど、大いに話が膨らんでいる。

五、船弁慶  桂 雀松(二代目枝雀門下)

 雀松さんの芸名の由来にもなった、雀のお松さんが大活躍する。最後の場面は海上に現れた平知盛の亡霊を、主君・義経を守るために船中から弁慶が祈り伏せる名場面の趣向取り。


葉月席田辺寄席
第434回
8月19日(日)昼席 午後1時10分開演
〈いちもん会〉


一、商売根問 桂 佐ん吉(初代吉朝門下)

 阿倍野が様変わりしそうだ。近鉄は阿部野橋駅に、高さ日本一の高層ビルを建設して日本一広い百貨店を作る計画、と発表。雀や鶯を捕まえて売ろう、という計画とはなんたる格差。

二、木村の麻風呂敷
       旭堂 南青(南左衛門門下)

 今席は講談特集。加藤清正といえば虎退治の逸話で知られる。生まれは尾張の国の中村、太閤秀吉と同郷とあって、子飼いの家臣として重用された。それがのちに徳川方に付くとは…。

三、四三四号笑呆亭
  …『大江山酒呑童子 鬼切丸由来』から  桂 文太(五代目文枝門下)

 文太師匠自作の贋作芝居噺。幇間が語って聞かせる形で芝居の再現となる。兵庫県川西市の多田神社は源頼光ゆかりの寺で、宝物館にはホンマかウソか、鬼切丸も飾られていた。

中入り

四、裸の角左衛門
 旭堂 南海(三代目南陵門下)

大名火消しと言っても、大大名は縁のない話。六万石以下の大名を四組に編成して防火にあたらせ、火元に近い大名が出動した。

五、河村瑞軒   旭堂 南鱗(南鱗一門)

 利発な商人というだけでなく、昔は立身出世した人としてよく知られていた。安治川河口に瑞賢(軒)山と称した波除山を築き、これがやがて田地になると予見、見事に的中した話は江戸時代の見聞録『翁草』に載っている。

紹介文執筆…中川 桂



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