演題紹介トップページへ



田辺寄席、演題「怪説」
       演芸ライター 上田文世

第540回 田辺寄席 10年8月21日(土) 昼席 午後1時10分開演 
  《新・じっくりたっぷりの会−笑福亭鶴二の段》


一.道具屋 笑福亭笑助(笑瓶門下)
 「雑踏の中を頭で見付けられ」。こんな川柳が先日の新聞に出ていました。作者は北九州の人。残念ながら「本屋の善さん」ではありませんでした。

二.七段目 笑福亭鶴二(六代目松鶴門下)
 落語家さんより役者に憧れる当然なようで、昔の人いわく「ええ男が生まれたら役者に、おもろい顔の子ができたら噺家に」。でも、この頃はイケメン噺家も増えました。

三.五両残し 桂文太(五代目文枝門下)
 東京の演題は『星野屋』。「渡したお金は偽金だ」「渡した髪は偽髪よ」。この年齢になると男も女もしたたか。さらに年上の女は、もっともっとしたたかですからね。

  〈仲入り〉

四.勘定板  笑福亭仁昇(仁鶴門下)
 落語は情景を頭の中で思い浮かべながら聞くものですが、この噺ではあまりリアルに思い起こしてはいけません。そろばん玉で「88」を出すと「ババ」を連想します。

五.替り目  笑福亭鶴二(六代目松鶴門下)
 言われてみたい言葉。「お酒というものは外は外、家は家でまた味の変わるもんです。どうかまあ、我が家の酒も、一口飲んでからお休みになったらどうです」

第541回 田辺寄席 10年8月21日(土) 夜席 午後5時30分開演 
  《新・じっくりたっぷりの会−桂文昇の段》


一.初恋(桂三枝作)   桂三段(三枝門下)
 教師は学生・生徒に教えるだけでいいのか。教えてもらうことがあってもええんと違う?。島崎藤村の詩を介して、そんなメッセージが伝わってきます。

二.悋気の独楽  桂小枝(五代目文枝門下)
 「悋」はけちけちするの意。「悋気」となると、なぜ男女間のやきもちの意になったのか。江戸時代、庶民の女房が集まって夫の浮気話を言い合う「悋気講」があった。

三.鹿政談 桂 文昇 (五代目文枝門下)       
 奈良公演の鹿は、現在1千頭ほどいるそうだ。「奈良の鹿愛護会」が保護活動に取り組んでいる。一番多いのは交通事故死で、昨年度は七十九頭が亡くなった。

(仲入り)

四.延陽伯  桂文太(五代目文枝門下)
 「縁のすみずみ、敷居のあたり、微塵もなきやうに掃除をよくするゆゑに、ゑんようはくとつくる」。落語のネタ本『醒睡笑』の巻六に出ているそうだ。

五.皿屋敷  桂 文昇 (五代目文枝門下)
 「幽霊の正体みれば枯れ尾花」。幽霊が出る噺はたくさんあるが、実際に幽霊を見た人はいないようです。まして、お菊さんみたいなべっぴんな幽霊。いたんでしょうかね。

第542回第 田辺寄席 10年8月22日(日) 昼席 午後1時10分開演 
  《新・じっくりたっぷりの会−林家うさぎの段》


一.子ほめ   林家卯三郎(染丸門下)
 「君はまるで天使のような白い服を着て、これがまた人間かというような顔をして泣いてました」(長女誕生を歌った『海援隊』の「菜見子」より)。子ほめは難しいですよね。

二.へっつい盗人   林家うさぎ(染丸門下)
 おごろもち盗人、花色木綿、書割盗人、仏師屋盗人、崇禅寺馬場、うちがえ盗人などと、盗人・泥棒の出てくる噺は数多いが大物は登場しない。お人好し・間抜けばかり。

三.天王寺詣り 桂 文太 (五代目文枝門下)
 ネットで調べると犬、猫などの葬儀社が各地に多数出来ていた。お墓もあって毎日読経もしてくれる。犬には「釈一匹わんちゃん」の戒名も…まではありませんでした。

(仲入り)

四.あくびの稽古  林家花丸(染丸門下)
 熱演にお客さんがつられて、本当のあくびをするほどだったら、演者は喜んでいいのだろうか。「噺家殺すにゃ刃物はいらぬ。あくび一つで即死する」の戯れ句があるが…

五.腕食い   林家うさぎ(染丸一門)    
 なぜに腕(かいな)と読むか。語源の辞書には@カヒはカミ(神)の転、ナはネ(根)の義Aカカヘノネ(抱根)から、などとありましたが、どれも「本当かいな」。





© 2002〜 田辺寄席世話人会