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田辺寄席、演題「怪説」  11月霜月寄席
       演芸ライター 上田文世

第549回 田辺寄席 10年11月20日(土) 昼席 午後1時40分開演 
  《新・じっくりたっぷりの会−桂宗助の段》


一.強情灸     桂二乗(米二門下)
 「チキンレース」という強情比べ≠ェある。正面衝突寸前まで車を疾走させ、先に回避した方が「チキン(臆病者)」と呼ばれて蔑まれる。強情もほどほどに。「負けるが勝ち」でもあります。

二.釜猫      桂宗助(米朝門下)
 日だまりで猫がのんびりとうたた寝していた。「うらやましいなあ」と近づくと、顔や手足にキズがある。釜に放り込まれて、やっとのことで逃げてきて、今やれやれと安堵し、眠っていたのかも。

三.夢の革財布   桂文太(五代目文枝門下)
 酒飲み亭主に酒飲み女房。こんな組み合わせ、落語ではあまり見かけません。グータラ亭主には決まって賢妻が付いてます。昔も今も、男は黙って嫁はんに任せよう。さすれば商売繁盛、お家は安泰。

  〈仲入り〉

四.ふぐ鍋     桂しん吉(初代吉朝門下)
 ふぐ毒は確かに怖いが、この頃はキノコの毒の方が心配。この秋は食用キノコにそっくりの毒キノコが、お店で売られていることがあるとか。「キノコ鍋」に誘われたら、ご用心、ご用心。

五.風の神送り   桂宗助(米朝門下)
 風邪の前兆ともいえるくしゃみ。これを甘くみてはいけません。くしゃみ一発で腰痛を引き起こすこともありますし、強烈なくしゃみが連続的に続くと、背骨の椎間板がずれることがあるとか。

第550回 田辺寄席 10年11月20日(土) 夜席 午後6時10分開演 
  《新・じっくりたっぷりの会−笑福亭銀瓶の段》


一.寄合酒     笑福亭呂好(呂鶴門下)
 料理学校から帰った娘が言う。「今日はダシをとったの。ザルでこしなさいって言うから、こしたんだけどね…。汁を捨てちゃったの。ザルに残ったのはカスで、本当は汁がいるんだって」

二.お近いうちに(小佐田定雄作)
          笑福亭銀瓶(鶴瓶一門)
 2005年3月に京都で初演、お客さんが演目の名前を付けた。お奉行や、まじめな男、しっかり者を演じては一品の銀瓶さんが、頼りない男をどう演じるか、そこが見ものだとか。

三.眼鏡屋盗人   桂文太(五代目文枝門下)
 丁稚が泥棒撃退に使った望遠鏡。その精度は高まるばかりで、大阪市内に置いた1円玉を、東京から判別できるという天体望遠鏡が開発中だ。こんな望遠鏡を丁稚が逆に置いたとしたら…

(仲入り)

四.蛇含草     笑福亭由瓶(鶴瓶門下)
 植物には、我々の想像を超えた能力がある。これは確かなようだ。例えば、野菜や草花に話しかけているとよく育ち、虫もつきにくいという。ならば、人間を溶かす草があっても不思議ではない。

五.寝床      笑福亭銀瓶(鶴瓶門下)
 得意なものがあると、周りの迷惑をかえりみず、それを披露したいのが人間の性(さが)。昔、猫がネズミを捕らえると、飼い主のところまで運んで来た。披露したいは生き物すべてが持つ性か。

第551回 田辺寄席 10年11月21日(日) 昼席 午後1時10分開演 
  《新・じっくりたっぷりの会−桂文華の段》


一.みかん屋    桂まめだ(文福門下)
 仕事がないと仕事を探してやる。仕事の仕方が分からないと、懇切丁寧に教えてやる。「また、買うたりましょ」と言ってくれるお客さんがいる。落語の世界には善人がいっぱりいるのに…

二.短命      桂文華(文華一門)
 安部さん366日、福田さん358日、麻生さん358日、鳩山さん266日。数字は小泉さん以来の総理大臣在職日数です。1年ちょっとか1年に満たずですね。奥さんが美人だったからですか。

三.味噌蔵     桂文太(五代目文枝門下)
 丁稚時代の標準的な食事は、冷飯におこうこ、またはお粥(かい)さん。月初めの1日と、15日だけ夜に魚が付く。祭りの日のご馳走はハモの付け焼きだった。これでは食い放題に憧れるはず。

(仲入り)

四.堪忍袋     桂三若(三枝門下)
 TV『龍馬伝』にも出てくる陸奥宗光は日清戦争時の外務大臣。「諸事堪忍すべし、堪忍の出来るだけは堪忍すべし、堪忍の出来ざる事に会すれば、決して堪忍すべからず」の言葉を残している。

五.猿後家     桂文華(文華一門)
 「世界三大美人」は、誰が選んだのだろう。クレオパトラに楊貴妃、そして小野小町が入っていますが、桂文福さんはこれにマリリン・モンローを入れ、マリリン・モンキーと言ってましたよね。



一.ちりとてちん   桂三四郎(三枝門下)
 「発酵」と「腐敗」の違いは? どちらも菌によるものであるが、出来たもので「愉快」にさせるのが発酵、「不快」にさせるのが腐敗。腐った豆腐は不快ですが、落語を聞けば愉快は間違いなし。

二.あこがれのカントリー
   ライフ(熊本編)(桂三枝作) 
           桂珍念(文珍門下)
 和歌山県の人口が100万人を割りました。昔は狼もいたという秘境がいっぱい、温泉は多数、魚、果物は旨い、水はきれい。移住したいと申し出れば、県の担当者はうれし涙をこぼしそう。

三.近日息子     桂文太(五代目文枝門下)
 母親が重体と知って棺桶をお寺に持ち込み、変に備えた息子がいた。「先繰り機転」を地でいく記事が、明治22年の朝日新聞に出ています。記者も呆れたのか、記事の末尾には「何ともハヤ」。

  〈仲入り〉

四.真田小僧     桂三弥(三枝門下)
 鹿児島市内に豊臣秀頼の墓がある。そして薩摩半島南部の雪丸地区には「真田幸村の子孫」という人が「真江田」姓で住んでいる。「江」を抜くと「真田」。「幸村」→「雪丸」。これホントです。

五.お楽しみ     桂珍念(文珍門下)
 「たのしみは心をおかぬ友どちと笑ひかたりて腹をよるとき」。幕末の歌人、橘暁覧の「たのしみは…」「…とき」の形式で詠んだ連作和歌50首の一つ 。さて、珍念さんの「お楽しみは?」

五.はてなの茶碗   桂珍念(文珍門下)
 東京では『茶金』の演題。名人志ん生の口演では、1千両の中から茶金さんが油屋さんに渡したお金は300両。大阪では米朝さん口演では500両。何でこんなに差がついた。はてな?



一.阿弥陀池    笑福亭鉄瓶(鶴瓶門下)
 大今里村で強盗1名、抜刀して押し入る。この家の主人、かたわらの木太刀で強盗を打ち、捕らえる。主人の名は五右衛門。これ、「にわか」ではありません。明治14年5月の朝日新聞記事です。

二.くもんもん式学習塾(桂三枝作)
          笑福亭鶴笑(鶴笑一門)
 8+9+3=20。カブ賭博で八(や)九(く)三(ざ)は最悪の手になる。「役に立たない」ことから「ヤクザ」という言葉が出来たという。その連中が「役に立つ」ことを始めた。さて結末は?

三.黄金の大黒   桂文太(五代目文枝門下)
 大黒さんの足下にあるのは米俵。これの目撃度は低くなるばかりで、お米の価格も低くなるばかりだ。お米が余ってるからだという。反対に黄金(きん)の価格は相対的に上がっているそうだ。

(仲入り)

四.生命      笑福亭たま(福笑門下)
 何、妾(わらわ)の姓名なるや―おっと、これは『延陽伯』でしたね。この「生命」は「いのち」と読むそうだ。筆者、浅学にして未だ『生命』を知らず。因って「怪説」するに至らず。恐惶謹言。

五.パペット落語  笑福亭鶴笑(鶴笑一門)
 パペット(人形)はすべて手作り。自分で糸と針、ミシンを踏んで作る。北はカナダから南は田辺、いや、オーストラリア、そして紛争地のアフガニスタン、イラク…。世界中どこでも笑わせます。



一.色事根問    桂雀太(雀三郎門下)
 もてたい願望は今も昔も男の大きな関心事。「もてる」と入力してネットを開くと、もてる男の条件がいっぱい列記されて出てくる。『秘伝書』のように、この本を読めというのもありました。

二.米揚げ笊    桂団朝(米朝門下)
 大江橋から堂島川沿いに渡辺橋方向へ。高速道路下の茂みに「堂島米市場跡記念碑」が建っている。稲穂を持つ子供と図案化した『濱』の文字。堂島の相場師が活躍していたのは、この辺りです。

三.禁酒関所    桂文太(五代目文枝門下)
 米国で禁酒法が出来たのが1920年。これで却って密輸や密造、それに伴う犯罪が増加した。ギャング首領のカポネが活躍したのはこの時期。日本では禁酒令が出ると、小便の需要が増えました。

(仲入り)

四.バルーンパフォーマンス ダイアン吉日
 英国・リバプールから1990年に来日。風船でいろんな物を作ります。それに英語落語に華道、茶道、着物着付けもこなします。おしゃべり大好き元気人間。もちろん大阪弁も得意です。

五.幸助餅     桂団朝(米朝門下)
 落語の町、池田の饅頭屋さんに「幸助餅」の名前が出ている。店主さんによると餅パイの一種だとか。作ってはみたものの売れ行きはさっぱり。落語のようにいきません、と言うてはりました。




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