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田辺寄席、演題「怪説」  
   2011年6月
       演芸ライター・上田文世

●第571回 6月18日(土)昼席  《新・じっくりたっぷりの会―笑福亭右喬の段》
                   
一、鉄砲勇助     森乃石松(福郎門下)
 月世界へ行ったら、そこの人はみんな自分の頭を腕の下に抱えて歩いていた。そしてね、必要なときには頭だけ外に置いて、自分は帰ってくるんだ――ドイツの『ほら男爵冒険談』から

二、胴斬り    笑福亭右喬 (松喬門下)
 自室の壁が薄くネタ繰りに不便。そこで右喬さんは実家に戻って稽古をする。そこには猫が30匹以上いる。『胴斬り』は、その猫たちがキャッ、キャット≠ニ笑ってくれた自信の演目で〜す。

三、稽古屋   桂 文太(五代目文枝門下)
 男は昔も今も女の色気には弱い。今はエロ議員もいてますし、江戸川柳ではこんなんもあります。「させそうな、身振りで弟子が、やたら増え」。小唄か三味線の稽古屋風景でしょうかね。

   仲入り

四、八五郎坊主   笑福亭仁嬌(仁嬌一門)
 「つまらん奴(やっこ)は坊主になれ」と言われ、その通り坊さんになれた時代がうらやましい。今はエクセルできますか、ヘルパー○級以上、TOEIC○○点以上などと、ハードルが高い。

五、馬の田楽    笑福亭右喬 (松喬門下)
 「子どもが大勢出てきて、難しいネタだけど、演じていて楽しい」と右喬さん。入門して9月でまる19年になり、10月には独演会を予定。「田辺寄席で自信を付けて、晴れ舞台に臨みたい」。

●第572回 6月18日(土)夜席  《新・じっくりたっぷりの会―桂かい枝の段》

一、犬の目      桂 華紋(文華門下)
 犬は近視だそうだ。人間で言えば視力0・2。検査表の1番上が識別出来る程度です。しかし、光を感知する細胞は人間よりワンランクどころか、遙かに上。だから夜目が効き、新聞も読める?

二、短パン刑事 桂かい枝(五代目文枝門下)
 英語落語を始めて14年。かい枝さんの活躍は最近の週刊英字新聞『Asahi Weekly』にも、大きな写真入りで紹介されました。来年は中学3年の英語の教科書にも登場しますよ。

三、たがや   桂 文也(五代目文枝門下)
 志ん生落語のマクラによると、花火のある晩は寄席は休演だったそうだ。あの音に負けて客が噺を聞いてくれないからです。今年は震災の影響で花火の夜が少なくなるから、寄席は増えるかな。

   仲入り

四、袈裟茶屋  桂 文太(五代目文枝門下)
 法衣の袈裟はいくらで買えるでしょうか。ネットで調べたら3千円以上はしました。パンツの類は百均でも売っていますから、これを下帯にしたら、びっくり効果満点。確かにもてるでしょうね。

五、ねずみ   桂かい枝(五代目文枝門下)
 繁昌亭の爆笑賞や創作賞を取るなど、かい枝さん自身が作る創作落語や古典にも定評がある。『ねずみ』は大きな笑いは起きないが情があって、気持ちのいい感動が残る噺。お気に入りだそうです。

●第573回 6月19日(日)昼席  《新・じっくりたっぷりの会―桂わかばの段》

一、ろくろ首    桂そうば(ざこば門下)
 首が長いと言って思い起こすのはキリン。オスの体高は5・3b。心臓から脳までの距離は約2bありますが、首の骨は人間などと同じく7個。脳まで血を送るため、血圧がムチャ高いそうです。

二、牛ほめ     桂わかば(ざこば門下)
 「わかば、やれ」。ざこば師匠のツルの一声で、桂米八さんから曲独楽を習っています。糸渡りが出来るようになり1席の後、披露することも。剣道3段。そのうち、切っ先止めもマスターか。

三、住吉駕籠  桂 雀松(二代目枝雀門下)
 乗り物としての駕籠が一般的になったのは、応仁の乱以降の室町時代。江戸時代では造りの精美なのを「乗物」、簡素なのを「駕籠」と呼んで、一般の人は乗物の使用を禁じられていたそうです。

   仲入り

四、五両残し  桂 文太(五代目文枝門下)
 5両、10両の価値が、いかに高いものであったか。亀五郎という泥棒がいて、10両盗んで首を切られた。それで狂歌が出来ました。「万年も生きよと思う亀五郎、たった十両で首がすっぽん!」

五、蔵丁稚    桂 わかば(ざこば門下)
 この噺の指南役は桂小米さん。自宅に何度も通って、じっくりたっぷり教えてもらい合格点をもらった。わかばさんにとって思い出深い噺。「演じていて自分も楽しくなってくるネタ」だそうです。





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