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田辺寄席、演題「怪説」  
   2011年7月
       演芸ライター・上田文世

●第574回 田辺寄席 7月16日(土)昼席   《新・じっくりたっぷりの会―桂文鹿の段》

 一、十徳     桂 ちきん(きん枝門下)
 @元気になるA心が和むB会話が弾むC気が若くなるD想像力が育まれるE常識が豊かになるF睡眠不足の解消も出来るG物知りになるH知恵が付くI人生を肯定できる。これが落語の「十得」です。

二、8時ちょうどの「くろしお」1号    桂 文鹿(文福門下)
 格闘家好きの文福一門で、ボクサー経験もあります。見台をかついで舞台に登場したこともありました。2004年、ちゃん好から文鹿に改名。新作から文鹿流の古典もと、芸域を広げています。

三、船弁慶      桂 文太(五代目文枝門下)
 噺の最後で亡霊となって登場する平知盛。平氏の天下を築いた清盛の4男だ。義経率いる源氏の軍と一ノ谷、壇ノ浦で奮戦。壇ノ浦で平家滅亡を見届けた後、海に飛び込んで自害したという。

   仲入り

四、孝行糖      桂 枝光(五代目文枝門下)
 9日限りの大臣が言う「長幼の序」とは、「長」の親を「幼」の子が大事にするという孝行の基本です。でも「あらためて孝行するも不孝なり 大事の親の肝をつぶさん」の狂歌もありますからね。

五、お文さん     桂 文鹿(文福門下)
 「文(ふみ)」だけだと文字で記したもの、手紙といった意味ですが「御文」「お文さま」となると、蓮如が浄土真宗の教義を説いて門徒に与えた書簡80通を選んで編纂したものと、格が上がります。

●第575回 田辺寄席 7月16日(土)夜席  《新・じっくりたっぷりの会―桂米紫の段》                   
一、動物園      月亭八斗(八方門下)
 桂枝雀さんが英語にしてよく口演していました。虎が主役ですが英語名は「WHITE LION」で、ライオンが表面に。「WHITE LIE(ライ)」には「罪のない嘘」の意味があります。

二、真田小僧     桂 米紫(塩鯛門下)
 「都んぼ」ちゃんと、昆虫の名前で親しまれていましたが、約1年前に「米紫」を襲名、立派な人間の名前になりました。でも、親しみやすさ、明るさ、元気さは、都んぼ時代と変わりません。

三、三枚起請     桂 文太(五代目文枝門下)
 江戸川柳に「口偏(くちへん)に空おそろしき起請文」というのがあります。「口偏に空」は「啌(うそ)」の字になるということです。遊女・小照の言う通り、起請文とは恐ろしいもんなんです。

     仲入り

四、マジックパフォーマンス  桂朝太郎(米朝門下)
 落語家でスタートの朝太郎さん。その初舞台は大喜利。「ビールとかけて」「競馬ととく」「その心は」「どちらもジョッキ(ジョッキーは騎手のこと)が付きものです」。お見事でしたが……

五、三年目      桂 米紫(塩鯛門下)
 ある百姓の妻が亡くなった。子どもの養育のため男はやむなく再婚。祝言の夜、前妻の幽霊が出て百姓に話す。「愛児に母親が出来てうれしい。私も成仏できます」=1732年刊『太平百物語』


●第576回 田辺寄席 7月17日(日)昼席  《新・じっくりたっぷりの会―桂福矢の段》                   
一、金明竹     桂 福丸(福團治門下)
 大名人・圓朝の番頭を前に、近所に住む8歳の小倅が1席演じた。これが『金明竹』、しかも誠にうまい。この少年が後に圓朝をしのぐ名人とまで言われた、四代目圓喬になったそうです。

二、青菜      桂 福矢(福團治門下)
 「青菜」とは一体何? 小松菜や大根の間引き菜説があるが、噺家さんとの雑談では「何でもええんと違うか」が結論だったとか。小佐田定雄さんの近著『上方落語のネタ帳』に出ています。

三、猿後家     桂 文太(五代目文枝門下)
 交際中の彼女に、言ってはいけない禁句が多々あるそうな。その第1位は「太ったんと違う?」でした。ほかにも「この料理、おいしくない」などなど。彼女をお持ちのお方はご注意を。

    仲入り

四、持参金     桂梅團治(春團治門下)
 1カ所にじっとしていないお金。それを長く留めておきたいと願うのは、誰もが持つ思いです。財布にお札をしまう時、絵の頭の部分を下にして入れると出て行きにくいという説≠ェあります。

五、皿屋敷     桂 福矢(福團治門下)
 師匠・福團治さんの『百年目』に感動して入門17年。力まず他人事のような調子でしゃべって笑わせる。大阪・松竹座では『播州皿屋敷』を上演中ですが、こっちは3等席でも4000円なんです。





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