ラジオ大阪で「阿倍野青年センター・田辺寄席」問題が

                    放送されました。

 

OBCラジオ大阪

「News Tonight いいおとな」

  2009年2月2日(月)午後10時〜放送

土肥 OBCラジオ大阪「News Tonight いいおとな」。10時を回りました。今晩のアンカーマンは産経新聞の論説委員小林毅さん、ナビゲーターは土肥佳子でお送りいたしております。

 さて小林さん、この時期、国会でも市でも町でも、来年度の予算を組む時期ですけれども。

 

小林 来年度の予算を組む時期ですな。

 

土肥 そうですね。どこの自治体も予算削減というのは、大きな課題だと思いますね。大阪市もやはり例外ではないわけですね。で、そんな中、阿倍野区にある阿倍野青年センターが、実質的に廃止されるという案が上がっています。しかしこの施設では、地域住民が何年も何年も支えてきた会があります。

 (出囃子、拍手)まことに結構な「相撲場風景」でございました……。

 

土肥 今年で35周年を迎える田辺寄席です。まもなく通算500回になるということで、ほんとにね、手弁当でやってらして、公演当日の朝、世話人の皆さんが集まって、舞台の組み立てから始めるという、そういう会なんですね。大阪は繁昌亭ができましてから、何というか落語ブームと言いますか、落語熱がしばらく続いてますけれども、ここはずーっと前から、「地域に笑いの花を咲かせよう」、「上方落語を盛り立てよう」ということで活動してきました。事実、多くの若手の落語家さんや講談師さんが育てられて大きくなりました。また、桂三枝さん、去年襲名された桂米団治さんなどですね、有名な方も出演されています。ですからですね、予算削減が市の重要事項ではあるんですけれども、統廃合するんで、東淀川区の青少年創造ステーションに市が統合しますので、そっちでやって下さいと言われても、そういかないですね。

 

小林 それだけ定着しているということですね。 

 

土肥 そもそもその地域にあってこそのものなんです。それが、東淀川区といいますと、阿倍野区から見ますと、なんばを超えて、心斎橋越えて梅田越えて、さらに新大阪のあたりになるんですね。

 

小林 かなり離れてますね。

 

土肥 全く違う地域ということになります。田辺寄席代表の大久保敏さんにお話を伺いました。

 

大久保 大阪市はね、市政の改革案という形で、阿倍野青年センター、東淀川区の青年施設、中央青年センター、この三つを合併いうかね、一つにするということは、合併とかそんなんじゃなくてね、あくまで大阪市の青年センターを廃止するという案ですね。で、東淀川、森ノ宮、阿倍野というのは全然違う所なんでね。やっぱりなんぼ青年の施設いうても、みんな地域に根ざした近隣の人たちが来てるんで、例えば田辺寄席が、淀川越えて東淀川区に行くということは考えられんことでね、お客さんもやし、田辺寄席そのものも、それをしてしもたら田辺寄席ではないと。今迄に五万人以上の人が来てくれてるし、実際、三公演になってから、年に4500人の方が笑いを共にしてるいうことでね。寄席では特に地域寄席では、全国的にいうても、こんだけ多くの方が集まってこられる寄席というのはないと思うんですよ。それを大阪市の施設でやってるいうことは、大阪市自身が誇りに思わなあかんことやと思うんですよ。

 

土肥 田辺寄席の世話人会でも、大阪市に対して、地域の方や寄席の参加者の声をまとめた意見書を、昨年末に提出していますね。この「素案」作りを担当している市のこども青少年局企画部青少年事業企画担当課長の平尾暢章さんにお話を伺いました。

 

平尾 今もおっしゃいましたように、阿倍野青年センターというのは、青少年だけでなくて、幅広い年代の方、特に高齢者の方々にも広くご利用頂いています。いわば市民活動施設という形で利用されているのではないかなと考えております。

 

土肥 もし、阿倍野青年センターを廃止してしまいますと、機能を他の所に移して廃止してしまいますと、どのくらいの経費削減になるのでしょうか。 

 

平尾 試算ではございますが、年間2541万4千円でございます。私どもといたしましては、建物は残すという方向で今後考えていきたいと思います。青年センターとしての機能の廃止後、この施設をどうしていくかということで検討するにあたりましては、実は公園の中、桃ケ池公園の中の施設でありますので、公園施設としての制約を受けるわけでございます。こういった中での検討を行っていかねばならないという風な状況でございます。

 

土肥 この田辺寄席が行われている阿倍野青年センターですが、卓球とかコーラスグループの使用もあります。稼働率が70%近くある。市の中でも、産業創造館とか中央公会堂についで非常によく使われている施設ということなんですね。こういう風に地域の声を聞きまして、小林さんいかがでしょうか。

 

小林 統廃合するといいますと、機能だけ統合することを考えちゃいますけど、それぞれの地域が違うわけですから、違う地域のものを一つにまとめるということはですね、性格がなくなっちゃうことでもあるんですよ。その辺りをきちんと考えないといけないと思います。

 

土肥 そうですね。

 

小林 ただね、行革という観点からいくとね、やはり無駄を省くということから考えれば、何らかの手を打たねばいけない。そういうのを、市民の力で何とかなると思うんですよ。もっと市民が支えるとかね、この寄席だけじゃなくて、センターそのものも市民が支えていくとかね。そういう動きが出てくるきっかけになればかえっていいかもしれないなと思うんですよ。

 

土肥 実際、この田辺寄席でいろいろ参加者の方から指摘されるとかで、それが功を奏した部分もあり、市のホームページにも、センターを残して欲しいという意見が行っているんですね、何十件も。だからそういう声を市もかなり考慮していて、平松市長がですね、「活力ある大阪」ということをおっしゃってるわけですね。その活力を30年以上にわたって生んできたこの寄席を無視して決めるということは出来ないということで、今非常に検討していて、この2月3月にちゃんと検討しますということはおっしゃっています。

 

小林 活力というのは、地域の力ですからね。力を殺ぐような改革はやっぱりやっちゃいけない。

 

土肥 そうですね。大阪市の予算削減の動き、それに伴う地域の方からの声をお伝えしました。